台湾のSEOの仕組みとは?ブログ文化や言語特性、コンテンツ制作のポイントを解説

日本から直行便が数多く出ており、4時間前後のフライトで気軽に旅行できる台湾。

2023年9月の訪日客は韓国に次いで台湾が多かったというデータが日本政府観光局(JNTO)から発表されており、台湾人の日本への関心の高さが伺えます。

台湾へのビジネス展開を検討している企業も多いことでしょう。

そこで重要になるのが、台湾をターゲットにしたWebマーケティングです。

日本国内のマーケティングと同様に、SEO対策が欠かせません。

この記事では、台湾SEOの仕組みや台湾人の文化的特徴、コンテンツ制作のポイントについて詳しく解説します。

台湾SEOとは?

歴史的な背景から、中国と台湾は文化や国民性が大きく異なります。

SNSの活用方法や検索エンジンも異なることから、中国と台湾をひとくくりにはできず、それぞれの国に適したSEO対策が必要です。

一方、日本と台湾はSEOの仕組みが似ており、検索エンジンに関しては日本で行っているSEO対策と大きな違いがありません。

Webサイトの精度を上げていくためには、台湾ユーザーの好みやトレンドなどの文化的傾向や情報収集の方法を理解することが大切です。

台湾SEOで押さえておきたい3つの特徴

ここからは、サイトの構築にあたり基本となる、台湾向けSEOの3つの特徴を説明します。

台湾ならではの特徴を押さえて、ユーザーファーストのコンテンツを作成しましょう。

日本と同じくGoogle検索が圧倒的シェア率

台湾人が使用する検索エンジンは、日本と同じくGoogleが圧倒的なシェア率であり、ほぼ9割の台湾人が台湾Googleを使用しています。

Googleに有益なコンテンツであると判断されることで検索上位を獲得でき、より多くの人にアクセスしてもらえる機会が増えることから、Google対策が重要になります。

台湾の検索エンジン2位はYahoo!奇摩が続きますが、Googleの検索エンジンに非常に近い仕組みを利用しているため、対策方法に大きな違いはありません。

ブログ文化が根付いている

日本と台湾の情報収集の文化には大きな違いがあります。

日本では、まとめサイトや関連コンテンツが充実したビジネスサイトで情報収集するのが主流ですが、台湾では人気ブロガーのブログを検索する習慣が根付いており、国内のインフルエンサーから情報を得る流れが主流となっています。

このきっかけとなったのは「Pixnet」というブログサービスの普及によるもので、多くのブロガーがウェブサイトよりもはるかに良質な記事を多くの写真と共に更新しています。

実際に台湾Googleで検索すると、多くのブログ記事が1ページ目に表示されるのが分かるでしょう。

ブログ文化が根付いている台湾ユーザーへのSEOには、ブログの攻略がポイントになります。

ユーザー検索は繁体字がメイン

台湾で使用されている文字は「繁体字(はんたいじ)」が主流であり、中国語の中で系統的な簡略化を経ていない筆画が多い漢字です。

中国本土で使用されている簡体字とは異なると認識しておきましょう。

台湾ユーザーの検索ワードは繁体字が使用されるため、台湾向けのコンテンツを作成する際は、繁体字によるキーワード選定と執筆が不可欠となります。

さらには「地域設定」を台湾にすることも必要です。地域設定を変えなければ正しい検索結果が得られないため、言語と共に注意が必要です。

ShiroKuくん

台湾以外の海外SEOについては、下記の記事で詳しくまとめています。

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【2024年最新版】海外SEO対策の特徴とは?日本SEOとの違いやコンテンツ制作のポイントを徹底解説

台湾で効果的なコンテンツSEOを行う7つのポイント

基本的なSEOに対する取り組み方は、海外SEOと変わらず、SEO対策も日本と似ている台湾。

ユーザーが読みやすく、有益なコンテンツを提供することがSEOの基本であり、Googleからの高評価に繋がります。

ここでは台湾特有のSEOに焦点を当て、効果的なコンテンツを作成する7つのポイントを詳しく解説致します。

ネイティブ視点でキーワードを調査

アクセスの多い記事の特徴の一つは「信頼性の高さ」が挙げられます。

充実した内容であっても、現地ユーザーが読みやすく、正しい語句で執筆されていなくては信頼度を得られません。

さらに、現地のトレンドやイベント、ネイティブにニーズの高いキーワードを選ぶことがSEO対策に必須です。

クリック率の高い記事はキーワードのニーズに応えていると言えますので、必然的に検索順位が上がります。

例えば、大阪観光を計画している台湾人が宿の検索をする場合、「大阪 住宿 推薦」というワードは台湾人ネイティブが検索しやすく、「大阪 酒店 推薦」とすると、中国本土向けと思われ検索ボリュームも低くなります。

このことから、台湾からの視点とSEOの知識の差だけでもキーワード選びに大きな違いが出るため、現地の言葉と感覚を持つ人材によるキーワード調査が欠かせないでしょう。

CV率がより高いキーワード厳選

CV率(コンバージョン率)を高めるキーワード選定にはロングテールキーワードを狙うのが効果的です。

例えば前述の大阪観光を例にすると、「大阪 おすすめ ホテル」「大阪 おすすめ 観光地 8選」「2023年(その年の年号) 推薦」と言ったように、キーワードを因数分解のように細かく砕きニッチなキーワードに仕上げることが大切です。

これは日本のSEO対策とも似ているため、現地の台湾人による視点があればCV率に繋がるキーワードを選定しやすいでしょう。

SNSブランディングを積極的に取り入れる

台湾は日本以上にフェイスブックやSNSを日常生活に取り込んでいます。

フェイスブックで最新情報を発表する傾向があることから、日本のようにWeb上に有益な情報が溢れていません。

そのため、ブログのように写真を多く使い、SEOを意識したコンテンツを作成することで検索上位表示が実現しやすい側面があります。

また、フェイスブックの次にユーザーが多いLINEやInstagramを活用するのも有効です。

自社のSNSに台湾向けのアカウントやリンクを掲載できる記事を作成し、人気ブロガーや影響力のあるインフルエンサーなど、SNSの発信に強い人を起用することでブランディング効果も望めます。

ここで得られる拡散力が話題性やサイトへのクリック率を生み出すでしょう。

台湾ブロガーとの専属契約やコラボ企画

ブログと同時に個人も売り出し、影響力の大きいブロガーは台湾にも数多く存在します。

ブログ文化がある台湾では人気ブロガーの記事はニーズが高く、検索順位の上位に上がりやすいため専属契約やコラボ企画を組むことで会社や商品、サービスの知名度アップ、そしてCV率向上も期待できるでしょう。

台湾人ブロガーであれば普段からブログを書くことで培っている文章表現や適切な語句選びにも長けているため、ユーザーからの信頼や関心を得るのにも効果的です。

口コミ機能を実装する

台湾では、旅行やショッピングのリサーチを行う際に検索エンジンを使わず、ブログや口コミを参考にする習慣があります。

口コミや個人ブログ、人気インフルエンサーなどSNSの発信から影響を受ける傾向が強いため、サイトに口コミ機能を実装するのは効果的です。

口コミ機能により、サイトの信頼性や商品、サービスへの付加価値を高められるでしょう。

情報量と写真が多いブログ記事を作る

台湾ブロガーの特徴は、自前の一眼レフを片手に自分で写真を撮り、フォトショップなどで加工した15〜20もの写真を使用し、文章も1,500〜3,000文字程度と情報量が多いことです。

一般的なWebサイトよりも質の高い記事をブロガーが発信していることからブログ記事へのクリック率が高くなり、文字数や画像のボリュームが多いことでユーザーの滞在時間が長くなります。

滞在時間の長さは良質な記事であるというGoogleの評価を受けやすく、検索順位が上がる傾向があることからも、台湾ユーザーの好むブログ形式で質の高い記事を作成することが有効なSEO対策となるでしょう。

ブログ×動画の掛け合わせで集客を狙う

ブロガーによるブログ記事が上位表示されやすい台湾SEOの特徴。同時に、SNSと動画コンテンツを活用し、両軸でプロモーションを行い成長性を高める施策が必要です。

SNS文化が主流になった現代、大手企業や有名ブロガーが積極的に各種SNS、TikTokやYouTubeなどに参入していることからも、欠かせないマーケティング方法の一つと言えます。

ブログと動画の掛け合わせを図り、拡散力やサイトのクリック率を生み出しましょう。

台湾SEOを含む総合的なマーケティングについて学びたい方は、下記の記事も参考にしてみてください。

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【2024年最新】台湾マーケティングを成功させるコツとは?台湾へのビジネス展開に必要な戦略とポイントを一挙解説

台湾SEOに取り組む際の注意点

台湾におけるSEOに取り組む際には現地ならではの注意点があります。十分理解し、SEO戦略を行いましょう。

歴史的背景

台湾と中国は領土や領海、歴史的背景に関する認識に双方の見解があります。

そのため、台湾向けのコンテンツには両国の関係性について断定的、憶測的な見解の記述を載せないことが賢明です。センシティブなことには触れないようにしましょう。

法律違反

コンテンツ作成時には台湾の法律を認識し、「表現の規制対象」にならないよう注意が必要です。

例えば、ダイエット系サイトで「この商品はダイエットに効果があります」と断言することは法律違反になります。

さらに、台湾で「ダイエット」は医療用語として扱われることから、食品や化粧品の商品紹介には適していません。

特に医療やマッサージなどの施設、タバコ関連、出産前検査、食品、薬品、化粧品はネット販売における表現の規制対象であり、酒類にも十分な注意書きが必要などのルールがあるため、台湾の法律が記載されているサイトに目を通し確認が必要です。

台湾のインターネット検閲は厳しく、個人・法人に関わらず罰金が請求されますので注意してください。

言語特性

台湾は、中国本土で使われている簡体字とは異なる「繁体字」が使われています。

書体は繁体字ながら会話は北京語が主流というのが台湾の言語特性であり、検索キーワードにおいて、単語の間にスペースを入れて検索する人が多いのも特徴です。

そのため、検索キーワードを設定する際、日本旅行の場合は「日本 旅游」と記載するのが台湾SEOには効果的です。

これは「ユーザーにとって使いやすい、情報が探しやすいサイトであるかどうか」に重点を置くGoogle評価指標への対策となるでしょう。

本格的に台湾SEOに取り組むならプロにお任せ

ここまで、台湾のSEOの仕組み、ブログ文化や言語特性、コンテンツ制作のポイントについて解説してきました。

情報収集にブログ記事を検索する文化があり、ブログ記事が検索上位に表示されやすいのが台湾SEOでの一番の特徴です。

ユーザーの検索意図を満たすコンテンツ作成には台湾人ブロガーなど、現地の情報に精通している人へ執筆や監修を任せるのが理想ですが、適当な人材を見つけられない、ブロガーとの契約が難しいケースもあると思います。

そのような場合は、台湾SEOを得意とするプロに任せるのが最適です。台湾を始め、海外SEOに対する実績が豊富で、マーケティング戦略に長けた会社を選びましょう。

海外SEO対策の相談ならShiroKuへ

ShiroKu株式会社では、海外SEO対策や多言語コンテンツ制作、インバウンド集客など、海外向けマーケティングサービスを手掛けています。

経験豊富なネイティブスタッフが多数在籍し、海外の知見を活かして戦略設計からサイト制作、集客、分析、改善まで一貫体制で集客をサポートいたします。

自社サイトやサービスの海外展開を考えている方は、ぜひShiroKuにご相談ください。

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執筆者

八十島 匠(やそじま たくみ)

フリーランスライターとして5年ほど活動したのち、独学でWebマーケティングを学び、大手観光メディアを運営する会社のディレクターに抜擢。旅行・観光系ジャンルを中心に、美容・インテリア・グルメ・ファッション・人材・テクノロジーなど、さまざまなメディアの立ち上げに従事。SNS運用や縦型動画をはじめとした最新マーケティング・海外SEO戦略にも幅広い知見を持つ。

監修者

李美玲(リ・メイリン) 

台湾でWeb制作会社やデジタル広告代理店を渡り歩き、Webキャンペーンの企画、ディレクション、コピーライティング、広報など多岐にわたる経験を積んだのち、2017年に来日。ネイティブ視点に基づいたマーケティング企画の立案やコンテンツ制作を得意とし、中小企業のサイト構築・集客から大手企業のインバウンドメディア立ち上げプロジェクトにも参画。台湾・香港の最新マーケティングにも精通しており、多岐にわたるニーズにお応えします。