【2024年最新版】海外SEO対策の特徴とは?日本SEOとの違いやコンテンツ制作のポイントを徹底解説

インターネットが普及した現代では、あらゆる分野で海外を視野に入れたビジネス展開が可能になりました。

海外向けにWebサイトを開設し、コンテンツマーケティングで流入を増やして会社やサービスの認知度を上げることで、新しい売上が期待できます。

そこで不可欠なのが「海外SEO」です。

この記事では、海外SEOと日本SEOの違いのほか、多言語サイト構築の進め方、注意点について詳しく解説します。

海外SEOとは?

海外SEOとはその名の通り、海外市場から検索エンジンを通してサイトに訪れる人を増やす(最適化する)施策のことを表します。

日本のSEO施策と比べて、使用言語・ターゲット・市場特性・検索エンジンなどさまざまな要素が異なるため、対象となる国に合わせた独自のマーケティング戦略が必要になります。

海外SEOの知識が市場戦略に必要な理由や、海外のSEOの特徴を見ていきましょう。

海外SEOについて詳しく知りたい方は、ShiroKuのYouTubeチャンネルもぜひご覧ください。

海外SEO対策の基本的な考え方

一口に海外といっても、国によって文化・言語・習慣が異なり、さらには嗜好性や検索エンジンも違うため、国内SEOの基本知識をそのまま使っても通用しません。

地域特性に応じたSEO対策を行わなければ、アクセスを集めることは難しいでしょう。

そのため、検索ボリュームの把握、有効なキーワードの選定など、トレンドを踏まえた海外SEOの最適化を進めることが重要になります。

まず行いたい基本の施策については、記事の後半で詳しく解説します。

各国のSEO対策の特徴

日本のSEOはジャンルによって競合が少ない市場もありますが、海外SEOはグローバルな市場を対象にしていることから競合が多く、SEO対策に高い精度が求められます。

中でもアメリカのSEO市場は特に競争が激しく、より高度な技術や知識、最新テクノロジーの導入など、継続的な改善と最適化が必要です。

一方で中国のSEO市場はかなり特殊で、主流の検索エンジンである百度(Baidu)に有効な対策を行い、検索順位の向上を図ることが攻略のポイントになります。

加えて、中国はモバイル最適化も重要な要素であり、WechatやWeiboなどのプラットフォームを活用したマーケティング戦略も欠かせないでしょう。

ターゲットとなる国に応じた市場戦略を練ることが成功のカギになります。

海外SEO対策の重要性

海外SEOに取り組むメリットは、新しい売上や事業拡大の機会を得られることです。

日本市場の何倍もの規模を誇る海外でマーケティングに成功すれば、確かな信頼やブランド力を獲得できます。

自社サービスの認知拡大やリード獲得、商品販売など、効果的に事業を成長させられるでしょう。 また、海外の見込み顧客にリーチすることで、新しいビジネスチャンスを掴むことも可能になります。

事業の将来性を見据えて新規顧客の創出に取り組む場合、海外SEOは非常に重要な選択肢の一つとなるのです。

海外SEOと日本のSEOの違い

海外SEOでは、海外から検索するユーザーに向けてサイトを最適化することが不可欠です。

さらには、国ごとの違いを把握して競合の調査やコンテンツ企画、サイト構築、運用を行う必要があります。

ここからは、海外SEOと日本のSEOの違いを端的に説明します。

検索エンジン

検索エンジンのシェア率は国によって異なるため、対象となる国の検索エンジンやサービスを事前にリサーチする必要があります。

たとえば、日本やアメリカではGoogleが主流ですが、中国ではGoogleが撤退しているため、代わりにBaidu(百度)という中国国内の検索エンジンへの対策が必要です。

また、同じ中華圏でも、台湾の場合は日本と同じくGoogle検索が圧倒的シェアを占めているなど、国によって検索エンジンの使用比率はさまざまです。

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基本的な方針として、その国で使用率が高い検索エンジンを対象にしたSEO対策が必要になります。

使用言語

海外SEOにおける言語の違いは、言葉の違い以上に大きな意味を持っており、ユーザーが好む表現や言い回しは国によって大きく異なります。

現地の人が読みづらく、意味が伝わらないコンテンツであれば、検索エンジンから正当な評価を得られないでしょう。

そのため、直訳にしかすぎない機械翻訳でのコンテンツ制作はNGと言えます。

ネイティブレベルの語学力に加えて、文化圏に十分精通した知識がある人が文章を作成する必要があるでしょう。

文化

国や地域、民族ごとに文化や宗教の違いがあります。

たとえば、宗教によって肉食がタブーとされている国に肉料理のレシピを記載した場合、ユーザーの関心を得られずサイトから離脱される可能性が予想されるでしょう。

コンテンツを作る際には、ターゲット国のユーザーが好む内容、役立つ情報が求められるため、文化的な傾向の違いを念頭に置いて海外SEOをしなければいけません。

流行やトレンド

海外と日本ではトレンドに違いがあります。そのため、日本で人気のコンテンツがそのまま海外で受け入れられるわけではありません。

検索エンジンでより高い順位を獲得するためには、現地のニュース、イベント、社会的な関心事などに関連する記事を作成することがポイントになります。

ユーザーがタイムリーな情報やトレンドに興味を持ち、それに基づいたコンテンツを求めていることを認識しておく必要があるでしょう。

海外と日本とでは、コンテンツのトレンドに違いがあります。そのため、日本で反応の良かったコンテンツが、そのまま海外でも受け入れられるかというと、そうでもありません。

地域によって好まれるコンテンツには違いがあるので、検索エンジンだけでなくコンテンツ内容も合わせて、現地向けの対策を行う必要があるのです。

海外SEO対策を成功させる8つのポイント

ここからは、海外SEOを成功させるために必要な8つのポイントを紹介します。

海外SEOは国によって対策が大きく異なり、テクニカルな要素も多いため、ここでは基本的な項目に絞って解説します。

海外のサーバーでサイトを構築する

海外でSEOを行う場合、ターゲットとなる国の現地サーバーを使うのが効果的です。

サーバーが近いほど速度的に有利であり、現地サーバーにデータをアップロードしている方が検索エンジンの評価も高くなります。

日本のサーバーの場合、海外からのアクセスに制限をかけているケースも多く、SEOそのものが無意味になる可能性もあるので注意しましょう。

特定の国や地域に絞れない場合は、多数のエリアで利用されているAWS(Amazon Web Services)を利用し、サイトを構築するのがおすすめです。

国ごとに独自のドメイン(URL)を設定

日本国内用のドメインである「co.jp」は多言語化に向かないため、新たにドメイン(URL)を取得する必要があります。

これは「co.jp」ドメインが、海外のユーザーや検索エンジンに対して、そのサイトが日本市場向けであるという強いシグナルを送ってしまうからです。

結果として、他の言語や地域をターゲットとしたコンテンツがあっても、適切に評価されにくくなる可能性があります。

大前提として、言語や国ごとに個別のURLを用意しましょう。

代表的なドメインの構造は3つのパターンがあります。ドイツのドメイン(de)を例として、それぞれの特徴を解説します。

多言語展開サイトのURL構造例

  • ドメインを国ごとに変える(example.de)
    各国に完全に独立したサイトを構築する場合に適しています。国別で大きな製品・サービスを提供したい場合などにおすすめです。SEOの観点からは最も効果的ですが、管理や運用のコストが高くなる傾向があります。
  • サブドメインを国ごとに変える(de.example.com)
    メインドメインの下に各国向けサイトを構築する方法です。独立性を保ちつつ、全体的な管理がしやすくなるのがメリット。中規模のグローバル展開や、共通のブランドで各国向けにカスタマイズしたコンテンツを提供したい場合に優れています。
  • サブディレクトリで分ける(example.com/de/)
    単一のドメイン下で各国向けコンテンツを紐づける管理方法で、最も実装が容易です。ドメイン権限の集中により、SEO効果を全体で共有できる利点がありますが、国別のターゲティングが他の方法と比べてやや弱くなる可能性があります。

サイトの表示スピードを最適化

日本では高速のネットワーク回線が提供されていますが、海外の場合は快適に利用できる回線が普及していない国や地域があります。

その場合はサイトの表示スピードが落ちるため、ユーザーの体験価値を損なう恐れがあります。

Googleがサイトの表示速度を重要な評価点と明言していることからも、閲覧スピードの最適化は海外SEOにおける必須ポイント。

ターゲットとなる国で「どの程度の回線速度があるのか」「どのような施策が必要か」について調べておきましょう。

世界各国の回線事情

  • アメリカ:大都市部では高速な光ファイバー網が普及しているが、地方では速度にばらつきがある
  • 中国:グレートファイアーウォールによる制限があり、主に海外サーバーへのアクセスが遅延しやすい
  • 香港:世界トップクラスの高速回線を誇るため、高解像度のコンテンツも活用しやすい
  • インド:平均回線速度が比較的遅く、モバイル端末の利用が多い。
  • オーストラリア:広大な国土のため、地域によって回線速度に大きな差がある

たとえば中国のSEO対策であれば、海外サーバーの速度低下を防ぐために中国国内のサーバーを契約するといった施策もあります。

対象国に合わせたサイト設計を考える

コンテンツ作成において最も重要なのは、SEOの根幹である「キーワードの選定」です。

対象国や地域でニーズのあるキーワードを選び、自社の商品やサービスを関連させてより良いコンテンツを作りましょう。

サイトの構造も日本と海外では顕著に違いが見られますので、その国の傾向を理解してサイト設計しなくてはいけません。

一例でいえば、アメリカのサイトでは写真が多用されるシンプルなデザインが主流であるのに対し、日本のサイトでは情報量やテキストの見栄えが重要視されます。

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好まれるデザインにも違いがあることを考慮してコンテンツを作成しましょう。

ネイティブの翻訳と監修をつける

海外SEOでは、現地のニュースやリアルなトレンドをよく知るネイティブな人材に文章作成や監修を依頼するのが理想です。

的確で自然な言語を使用し、ユーザーのニーズや検索エンジンの要件に合致したコンテンツを作れる可能性が高くなります。

サイトの信頼度が高まり、検索エンジンから評価されやすくなるでしょう。

質の良いコンテンツであれば、SNSによる拡散やヒット記事も生まれやすく、被リンク獲得にも貢献してくれます。

たとえば同じ英語でも、アメリカ英語・イギリス英語で選ぶべき単語やニュアンスは異なります。ターゲットとなるユーザーや地域の特性を踏まえたコンテンツを制作することが、質を高める近道になります。

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WebサイトのHTMLに「lang属性」を割り当てる

HTMLのlang属性は、Webページの言語を検索エンジンや閲覧者のブラウザへ伝えるための重要な要素です。

この属性を適切に使用することで、検索エンジンがページの言語を正確に理解し、適切な言語圏のユーザーに情報を届けられるようになります。

また、ブラウザのフォントや翻訳機能が最適化されたり、音声認識・出力に関しても正しい発音・アクセントになるなど、さまざまなメリットがあります。

今回は具体的な使用例に関して、代表的な4つの方法とコードの実例を紹介します。

HTML全体の言語指定

HTMLで構築されたページ全体が特定の言語であることを指定するコードです。

下記のコードは、日本語のページであることを示します。

<html lang="ja">

方言や地域の指定

同じ英語で書かれたコンテンツでも、対象となるターゲットによっては、「アメリカ英語」「イギリス英語」を指定したほうが良いケースがあります。

下記のコードは、アメリカ英語で記載されたHTMLであることを示しています。

<html lang="en-US">

多言語サイトでの使用例

複数の多言語Webサイトを運用している場合、サイト内で特定のURLの言語指定を行ったほうが良いケースがあります。

下記のコードは、Webページのドイツ語版があることを示しています。

<link rel="alternate" hreflang="de" href="https://www.example.com/de/">

部分的な言語指定

少し特殊なケースですが、ページ内で言語が混在する場合でも、個別の要素に対して言語を指定できます。

<p>これは日本語の段落です。<span lang="en">This is an English phrase.</span>

HTMLの構造に関わるSEO施策は難易度が高いため、中途半端な知識で取り組むとWebサイト自体が壊れる可能性があります。

施策の実行には十分注意しましょう。

可能であれば、海外SEOやWebサイト構築に理解のある開発・マーケティング会社に依頼するのがおすすめです。

ジオターゲティングを行う

ジオターゲティングとは、ユーザーの位置情報に基づいてWebサイトのコンテンツ・実装機能などを最適化する手法です。

ターゲットとなるユーザーの位置情報に関わる施策の全てが該当するため、定番のSEO対策からテクニカルSEOまで幅広い施策が該当します。

代表的な施策とポイントは下記の通りです。

SEO施策の種類具体的な施策
地域の特性を考慮したコンテンツ制作(例)アメリカ英語・イギリス英語の区別
地域固有の法律や規制への対応(例)アメリカの州法や独自規制に合わせた監修・チェック
国別のSEO対策(例)中国は百度(Baidu)、ロシアではYandexを対策
HTML構造の改善(例)hreflang属性を使用して言語バージョンを指定
国別ドメインの取得(例)国毎のドメイン取得やサブディレクトリ構造への改善

手軽に行えるジオターゲティングの施策としては、Google Search Consoleを使用した「インターナショナルターゲティング」の設定がありました。

この設定を行うことで、特定の国や地域をターゲットにしたコンテンツ最適化の設定でしたが、Googleは有効性が乏しいとの理由から、2022年9月22日にこの機能を廃止しています。

最新の海外SEOは、国別・地域別の施策を整理して、優先順位毎にコツコツと実行していくことが重要になります。

被リンクを獲得する

日本国内のSEOと同じく、有力な被リンクをどれだけ集められるかも重要なポイントです。

特に初めて海外でサイトを展開をする場合、海外の企業や担当者、一般ユーザーからサービスを認知されていないケースが多く、コンテンツ制作とは別で被リンクを取得する施策を考える必要があるでしょう。

自社サービスを売り込む際、もしくはすでに良好な関係を築けている企業に相互リンクの依頼を行うなど、有力な方法を考えてみましょう。

日本のSEOと同じく、リンクを購入する行為はさまざまな検索エンジンで禁止されているため、絶対に行わないでください。

海外SEOの注意点とリスク

海外市場への事業戦略で欠かせない海外SEOは、メリットが多い分、リスクもあります。

事前に理解しておきたい注意点は以下のようになります。

国内のサイト制作よりもコストがかかる

海外SEOのコンテンツ制作費は、日本のSEOよりも高くなるのが一般的です。

それは、海外市場に適したローカライズや、ネイティブレベルの語学力を持つ人材へ依頼するコストが発生するからです。

さらに、コンテンツ量が多いほど必然的に時間や作業量は増え、日常的なサイト運用コストもかかります。

海外市場では競争が激しく、より良質なコンテンツやマーケティング手法が求められるため、海外SEOにおける予算計画と共に効果的な戦略を立てることが重要です。

戦略次第では成功しにくい

海外SEOは幅広い市場にリーチできる一方、競争が激しくなりやすいのが難点です。

言語も文化も違う海外市場では、リソース投入したからといって、絶対に結果を出せるわけではありません。

検索エンジンに表示される順位は、検索エンジンのアルゴリズムによって評価される仕組みであるため、外部からコントロールするのは困難です。

十分な分析に基づき作成したコンテンツであっても、タイミングや他の要因で期待通りの検索順位にならないこともあります。

失敗すると日本サイトにも悪影響がある

元々サイトへの流入が多く、ユーザーから指示されている日本サイトを多言語化して海外SEOを行えば、サイト全体のアクセスは日本語のみの場合よりも増えるでしょう。

これによりサイト全体の評価が上がり、好影響をもたらします。

しかし、多言語化したサイトの質が悪く、アクセスが少ないと検索エンジンから受ける評価が下がるため、既存の日本サイトの評価にも悪影響を及ぼす可能性があります。

もしもすでに悪影響が出ている場合、海外SEOへの段階的かつ迅速な見直しや、改善に取り組む必要があるでしょう。

ShiroKu株式会社では、新規プロジェクトの立ち上げのほか、既存サイトのブラッシュアップや多言語化施策も行っています。

海外SEOのご相談ならShiroKu株式会社へ

この記事では、海外SEOと日本SEOとの違いや、多言語サイト構築の進め方について解説しました。

海外SEOにより海外からのアクセスを増やし、自社のサービスや商品の海外展開を目指せるように、綿密なプランを計画しておきましょう。

海外SEO対策の相談ならShiroKuへ

ShiroKu株式会社では、海外SEO対策や多言語コンテンツ制作、インバウンド集客など、海外向けマーケティングサービスを手掛けています。

経験豊富なネイティブスタッフが多数在籍し、海外の知見を活かして戦略設計からサイト制作、集客、分析、改善まで一貫体制で集客をサポートいたします。

自社サイトやサービスの海外展開を考えている方は、ぜひShiroKuにご相談ください。

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執筆者

八十島 匠(やそじま たくみ)

フリーランスライターとして5年ほど活動したのち、独学でWebマーケティングを学び、大手観光メディアを運営する会社のディレクターに抜擢。旅行・観光系ジャンルを中心に、美容・インテリア・グルメ・ファッション・人材・テクノロジーなど、さまざまなメディアの立ち上げに従事。SNS運用や縦型動画をはじめとした最新マーケティング・海外SEO戦略にも幅広い知見を持つ。

監修者

李美玲(リ・メイリン) 

台湾でWeb制作会社やデジタル広告代理店を渡り歩き、Webキャンペーンの企画、ディレクション、コピーライティング、広報など多岐にわたる経験を積んだのち、2017年に来日。ネイティブ視点に基づいたマーケティング企画の立案やコンテンツ制作を得意とし、中小企業のサイト構築・集客から大手企業のインバウンドメディア立ち上げプロジェクトにも参画。台湾・香港の最新マーケティングにも精通しており、多岐にわたるニーズにお応えします。